四国4県の企業は生成AIをどう使っている?生成AIのビジネス活用調査レポート(2025年5月四国版)
はじめに
生成AIが一般化する昨今。ChatGPT や Copilot などを業務に取り込む企業が増える一方、「何から始めれば…」と踏み切れない声も根強く聞こえます。オーシャンズでは 2025年5月、四国4県(徳島・香川・愛媛・高知)の就業者 327 名を対象に「生成AIのビジネス活用実態調査」を実施しました。本稿では、その結果をファクトベースで整理し、四国企業の現在地と次の一手を明らかにします。
調査概要
- 調査期間:2025 年 5 月 15日・16 日
- 方法:インターネットアンケート
- 有効回答数:327(20–64 歳の就業者)
- 対象地域:徳島・香川・愛媛・高知の 4 県
- 主な設問:利用頻度/活用シーン/導入意向/課題
回答者の基本属性

● 性別:男性 57.9 % / 女性 42.1 %
● 年代:45–54歳が最多(36.2 %)
● 雇用形態:正社員 67.3 % / 公務員 11.2 % など
回答者は“働き盛りかつ組織の意思決定に関わる層” が多数を占めています。雇用形態では正社員が 7 割弱を占めつつ、公務員が1割超含まれており、民間と行政の双方の実態を一度に把握できる点が本調査の特徴です。
利用状況・ツール

未使用者が70.7%、定期利用者は21.2%で、「触っているのは5人に1人」 という結果から、四国エリアにおいては生成AIは導入初期フェーズといえます。また、利用者のほぼ9割が ChatGPT を選択しており、“ツール選定” より “まず触るかどうか” が導入の鍵になっていることが読み取れます。複数LLMの選定・比較よりも、ChatGPTを軸にしたオンボーディングが地方導入の近道と示唆されます。
エリア別・年齢別・職種別の利用率

4県の差は最大でも5 pt。県ごとの導入ステージは概ね横並びで、県境を越えた成功事例共有や共同研修が有効と考えられます。
年齢別ではサンプル数が少ないものの20~30代の若年層の利用率が高い。組織全体への波及には中堅層の巻き込みが必要。職種では経営者と公務員が先行しており、トップマネジメントや行政主導での導入が四国の特色と読み取れます。
マーケティング活用タスク

四国全体で 「①分析レポートの要約 → ➁メール・DMのパーソナライズ → ③Web広告コピー作成」 が導入順序の定番になりつつあります。高知は①と➁の2タスクで二桁を記録し、マーケAIの具体導入が進んでいる県と位置付けられます。メールやWeb広告など 顧客接点に近い領域で導入が可視化 されている点が特徴です。
主な課題と障壁

回答の ほぼ半数が「使い方が分からない」 を挙げ、ノウハウ不足が最大ボトルネック。セキュリティとコストは2位・3位だが2割未満であり、運用ルールと効果試算を示すことで突破できる“越えやすい壁” と推察されます。
まとめ
- 活用率は 21 %、伸びしろ 約7割。
- ChatGPT中心の利用でツール教育の一元化が容易。
- 県別差は小さく、横展開がしやすい市場環境。
- ノウハウ不足が最大課題。短時間のハンズオンや事例共有が導入促進の鍵。
四国企業が次の一歩を踏み出すうえで重要なのは、「まず使って成果を数値で共有する」仕組みをつくること――調査スライドはそれを裏付ける定量根拠となります。
オーシャンズでは、ネット調査やインタビュー調査を通じて得たデータを基に、戦略立案から施策実行まで一気通貫でマーケティング支援を行っています。詳しくはこちらのサービスページをご覧ください。

礒崎 将一#代表取締役
#デジタルマーケター
上流の戦略設計からアクセス解析までを得意とし、総合・ネット広告代理店での経験を活かしデジタル・オフライン広告双方に精通。特に金融業界での支援実績と深い知見を持つ。多角的なアプローチで企業の課題を解決し、成長をサポートする。