2026.05.08 アクセス解析

生成AI経由のアクセス、GA4でちゃんと見えていますか? ── AI流入の確認方法と、それでも残る落とし穴の正体

GA4のトラフィック獲得レポートで、ChatGPT・Perplexity・Geminiなど生成AI経由のアクセスを参照元/メディア別に確認している画面。

「生成AI経由で、自分のサイトにどれくらいアクセスが来ているんだろう?」

GA4を見ていて、ふとそう思ったことはありませんか?

ChatGPT、Gemini、Perplexityといった生成AIサービスから、ブログ記事やサービスページを紹介されて流入するケースが、じわじわと増えています。

でも、GA4のどこを見れば「AI経由の流入」が把握できるのか──意外とはっきりしない方も多いのではないでしょうか。

オーシャンズでは日頃から、クライアントのGA4データを見ながら広告運用やサイト改善をお手伝いしています。そのなかで生成AI流入の計測について調べてみると、ちゃんと見える部分と、どうしても見えにくい「落とし穴」があることがわかりました。

この記事では、まずGA4でAI流入を追うための気づける環境の整え方を紹介し、そのうえで、それでも残ってしまう落とし穴と向き合い方をまとめていきます。

「GA4は見ているけど、AI流入は気にしたことがない」という方にこそ、読んでいただきたい内容です。

生成AI経由の流入、今どれくらい増えている?

ChatGPT、Gemini、Claude──こうした生成AIサービスのユーザー数が、2025年〜2026年にかけてかなり伸びています。

AIに質問すると、回答の中にWebサイトへのリンクが表示されることがあります。そのリンクをクリックしてサイトに訪れる──これが「生成AI経由の流入」です。

実際、オーシャンズのGA4でも、chatgpt.com / referral といった参照元がちらほら出てくるようになりました。

まだ全体に占める割合は小さいですが、じわじわと増えているのは確かです。今のうちにAI流入を追える環境を整えておいて損はありません。

“見える部分”を整えよう ── AI流入を追うための2つの設定

GA4でAI流入の動向を追う準備として、まず「GA4がどんな仕組みで参照元を判定しているか」を押さえたうえで、AI関連のアクセスをまとめて見られる環境を整えておきましょう。ここで設定しておくことで、流入の異変に気づきやすくなります。

GA4はブラウザが送信するリファラヘッダー(「このユーザーは○○.comから来ました」という情報)をもとに参照元を判定しています。生成AIのブラウザ版でリンクがクリックされた場合、この仕組みでリファラルとして記録されます。

ユーザーがリンクをクリックしてからGA4がトラフィックの参照元を記録するまでの3ステップ(Referrer-Header送信→Webサーバー受信→GA4レポートに集計)を示した図。

チェック法①:カスタムチャネルグループで「AI chatbot」チャネルを作る

GA4にはカスタムチャネルグループという機能があり、デフォルトのチャネル分類に加えて、独自のチャネルを定義できます。

Googleの公式ヘルプでも、AI chatbotからの流入の動向を追うためのカスタムチャネルグループの設定例が紹介されています。設定は5〜10分程度で完了します。

(参考:Google Analytics ヘルプ「チャネルグループ」

設定手順

  1. GA4の管理画面 →「データの表示」→「チャネルグループ」
  2. 「新しいチャネルグループの作成」をクリック
  3. 「新しいチャネルの追加」で「AI chatbot」などの名前を付ける
  4. 条件を「ソース」→「正規表現に部分一致」に設定
  5. 以下の正規表現を入力する

正規表現(コピペ用):

chatgpt\.com|chat\.openai\.com|openai\.com|perplexity\.ai|claude\.ai|copilot\.microsoft\.com|gemini\.google\.com|gemini\.google\.co\.jp
  1. 作成した「AI chatbot」チャネルを、「Referral」「Organic Search」よりも上に並び替える

【重要】GA4のチャネルグループは上から順に条件を評価し、最初に一致したチャネルに分類される「ウォーターフォール方式」を採用しています。そのため、AI chatbotチャネルが「Referral」や「Organic Search」より下にあると、AI流入が先にそれらのチャネルにマッチしてしまい、せっかく作ったAI chatbotチャネルには入りません。必ず「AI chatbot」を上に並び替えてください。

※ カスタムチャネルグループは過去データにも遡及適用されます。ただし、「プライマリチャネルグループ」として設定した場合、その変更は設定以降のデータにのみ反映されます。まずは新しいカスタムチャネルグループとして作成し、過去データも含めてAI流入の変化に気づきやすい環境をつくることをおすすめします。

実際にどんなデータが見えるか、オーシャンズのGA4を例に確認しておきましょう。

実際のGA4で参照元 / メディアを確認する

まず、GA4のトラフィック獲得レポートで、参照元 / メディアを確認します。

このように、ブラウザ経由でリファラが送信されたAI流入は、リファラルとして記録されています。

チェック法②:探索レポートで正規表現フィルタを使い、定期モニタリング

カスタムチャネルグループと並行して、探索レポートでもAI流入の動向を定期的に確認できるよう、設定しておきましょう。

設定手順

  1. 探索レポートで「自由形式」を選択
  2. ディメンションに「セッションの参照元 / メディア」を追加
  3. フィルタで「セッションの参照元 / メディア」→「正規表現に一致」を選択
  4. 以下の正規表現を入力

正規表現(コピペ用):

chatgpt\.com|chat\.openai\.com|openai\.com|perplexity\.ai|claude\.ai|copilot\.microsoft\.com|gemini\.google\.com

これで、GA4に記録されているAI流入の動向を一覧で確認できます。月次で推移を確認しておくと、トレンドの変化に早く気づけます。

実際の画面も確認しておきましょう。

探索レポートのセグメントで絞り込む

次に、探索レポートでセグメントを使ってリファラルトラフィックに絞り込みます。

セグメントで「参照トラフィック」を選択すると、リファラル経由のセッションだけが表示されます。ここにchatgpt.comperplexity.aiが出てくれば、ブラウザ経由でリファラが渡ったAI流入が発生しているということです。

それでも見えない流入がある ── 落とし穴の正体

ここまでで、ブラウザ経由でリファラが送信されたAI流入は可視化できるようになりました。

ところが、GA4データを見ていくなかで気づいた落とし穴があります。

WebブラウザでChatGPTやClaude、Geminiを使い、回答に表示されたリンクをクリックした場合──この流入がGA4で「リファラル」として記録されるかどうかは、ツールや利用環境によって異なり、必ずしも正しく記録されるわけではありません。

リファラルとして記録できる場合、GA4のトラフィック獲得レポートでは以下のような参照元 / メディアとして確認できます。

  • chatgpt.com / referral
  • perplexity.ai / referral
  • gemini.google.com / referral
  • claude.ai / referral

たとえばChatGPTは、2025年6月以降、ChatGPT Searchの引用リンク(citation)に「utm_source=chatgpt.com」が自動付与されるようになり、リファラルとして記録されやすくなりました。一方、ChatGPT Searchを経由しない通常の会話内リンクや、ブラウザのプライバシー設定・アドブロッカーの影響でリファラデータが送信されないケースもあり、(direct) / (none) として計測されることも少なくありません。

Claudeも同様に、ブラウザ版で推奨リンクをクリックした場合でもリファラヘッダーが送信されないケースがあり、(direct) / (none) に分類されることがあります。Anthropic自身のGitHub上でも、この挙動に関する改善リクエストが上がっています。

Geminiもリファラルデータの送信が不安定です。一方、Perplexityは比較的安定してリファラルを渡す傾向があります。

GA4の探索レポートでは、セグメント機能を使って「参照トラフィック(リファラル)」に絞り込めます。

この方法で、chatgpt.com / referralperplexity.ai / referral といった生成AI経由のデータを抽出できます。「おっ、ちゃんとAI経由の流入が見えるじゃないか」と安心するかもしれません。

しかし、ここが落とし穴です。

このセグメントで見えているのは、あくまで「リファラ情報が正しく送信されたセッション」だけです。ブラウザ経由であっても、ChatGPTのChatGPT Searchを経由しない通常の会話内リンク、もしくはブラウザのプライバシー設定・アドブロッカーの影響でリファラデータが送信されないケースや、Claude・Geminiのように、リファラが不安定で (direct) / (none) に落ちるケースは、この画面には出てきません。

セグメントで見える数字は「氷山の一角」に過ぎない──まずそのことを理解しておく必要があります。

さらに、スマホの生成AIアプリ経由のアクセスは、GA4では一切記録されません。そもそもリファラルとして記録されていないからです。

スマホアプリ経由の流入がまったく見えない──これが最も深刻な落とし穴です。

ChatGPT、Gemini、Perplexityなどのスマホアプリで回答中のリンクをタップすると、アプリ内のWebView(アプリ内ブラウザ)でページが開かれます。このとき、WebViewはリファラヘッダーを送信しません。プライバシー保護やセキュリティ上の理由から、アプリ内ブラウザは遷移元の情報を外部サイトに渡さない仕様になっているためです。

そうなると、GA4側では「参照元が不明」と判定され、(direct) / (none) に分類されてしまいます。

通常ブラウザはReferrerを送信してGA4にgoogle/organicと記録される一方、スマホアプリ内WebViewはReferrerが送信されずdirect/noneになる仕組みを示した図。

整理すると、以下のようになります。

利用環境 リファラ送信 GA4の記録 計測状況
ブラウザ版 ChatGPT(ChatGPT Search 引用リンク) UTM付与あり chatgpt.com / referral ○ 計測できる
ブラウザ版 ChatGPT(会話内リンク・Search外) 不安定 chatgpt.com / referral または (direct) / (none) △ ケースによる
スマホアプリ版 ChatGPT 送信されない (direct) / (none) × 計測できない
ブラウザ版 Claude 不安定 claude.ai / referral または (direct) / (none) △ ケースによる
ブラウザ版 Gemini 不安定 gemini.google.com / referral または (direct) / (none) △ ケースによる
スマホアプリ版 Gemini / Claude 送信されない (direct) / (none) × 計測できない
ブラウザ版 Perplexity 送信される perplexity.ai / referral ○ 計測できる

この表を見ると、きれいに計測できるのはブラウザ版PerplexityとChatGPT Searchの引用リンクくらいで、ClaudeやGeminiは「ブラウザ版でも不安定」、スマホアプリ経由はほぼ全滅です。

海外の事例でも、同様の「計測の見えなさ」が報告されています。フォーム作成サービスのTally社は、自社の新規サインアップユーザーにアンケートを取ったところ、25%が「ChatGPTから知った」と回答したのに対して、GA4上ではそれに見合うChatGPT経由のトラフィックが確認できなかった、と報告しています(出典:Tally社ブログ、Airefsによる紹介記事)。GA4に映らないAI流入がここまで存在し得ることを示す、重要な事例です。

※ Tally社の報告は「新規サインアップの25%」であり、サイト全体流入の25%ではない点に注意。

GA4のリファラルデータだけを見て「AI流入は少ないな」と安心してしまうのは、危険だと考えています。

toB・toC別に考える ── なぜtoCサイトは特に注意が必要なのか

この「見えない流入」は、サイトの性質によって影響の大きさが異なります。自社がどれくらい影響を受けるか、整理してみましょう。

toBサイト:比較的影響は小さい

BtoB向けのサービスサイトは、ユーザーの多くがPCからアクセスします。業務中にPCで情報収集するのが一般的だからです。ChatGPTやPerplexityもPCのWebブラウザで利用されることが多いため、生成AI経由の流入はリファラルとして比較的見えやすくなります。

toCサイト:影響が大きく、注意が必要

一方、BtoC向けのサイト──たとえばECサイト、飲食店、美容サロン、個人向けサービスなど──はスマホからのアクセスが大半を占めます。そして、一般ユーザーはスマホでChatGPTやGeminiのアプリを使うことが増えています。

スマホ利用が多いtoCサイトほど、生成AIアプリ経由の流入が (direct) / (none) に吸い込まれるリスクが高くなります。

toCサイトを運営している方は、(direct) / (none) の中に「隠れたAI流入」が含まれていないか、注意して見ておくことをおすすめします。

(direct) / (none)の「異変」に気づく ── 見えない流入を間接的にとらえる

ここまでで、ブラウザ経由でリファラが渡るAI流入は「見える状態」になりました。一方、スマホアプリ経由の流入は(direct) / (none)に紛れ込むため、直接確認することができません。ここからは、(direct) / (none)の動きを観察し、変化に気づくアプローチを取ります。

(direct) / (none)の推移を時系列で見て、増加傾向があるかを確認します。

もし(direct) / (none) が増えているとしたら、その原因の1つとして生成AIアプリ経由の流入が含まれている可能性があります。

デバイスカテゴリとのクロス分析で「モバイル × (direct) / (none)」を見る

さらに踏み込んで、(direct) / (none)を「デバイスカテゴリ」とクロスで見てみます。

ここで注目すべきポイントは以下です。

  • (direct) / (none) × mobile のセッション数が増えていないか?
  • (direct) / (none) × mobile のエンゲージメント率が高くないか?
  • (direct) / (none) × mobile でCVが発生していないか?

「モバイルの(direct) / (none)なのに、エンゲージメント率が異常に高い」──こういったデータが出てきたら、それはブックマークやURL直打ちではなく、スマホの生成AIアプリ経由で来た質の高いユーザーかもしれません。

具体的には、以下のような状況が見られたら、「スマホの生成AIアプリ経由の流入が増えているのでは?」と疑ってみてください。

  • (direct) / (none) 全体のセッション数が増加傾向にある
  • 特に mobile の (direct) / (none) が増えている
  • (direct) / (none) 経由のエンゲージメント率やCV数が上がっている
  • 特定のページ(ブログ記事やサービスページ)への mobile × direct 流入が急増している

ブックマークやURL直打ちだけでは説明がつかない動きがあれば、生成AIがサイトを紹介し、スマホアプリ経由でユーザーが流入している可能性を疑ってみてください。

GA4の数字の「裏側」を読む力が、これからのWeb担当者には大切になってくると感じています。

気づきを支える設定チェックリスト

「AI流入の異変に気づくための準備」として、ここまで紹介した設定が済んでいるか確認してみましょう。

優先度 やること 所要時間
★★★ GA4のカスタムチャネルグループで「AI chatbot」チャネルを作成し、Referralより上に並び替える 約10分
★★★ 探索レポートで正規表現フィルタを設定し、AI流入を月次チェックするルーティンを作る 約10分
★★☆ (direct) / (none) × mobile のエンゲージメント・CVを月次でモニタリングする習慣をつける 月5分

カスタムチャネルグループは過去データにも遡及適用されるため、「今すぐやらないとデータが消える」ということはありません。ただし、早めに設定しておけばレポートの確認が習慣化しやすく、AI流入のトレンド変化にいち早く気づけます。思い立った今のうちに設定しておくことをおすすめします。

まとめ ── GA4の「見えない流入」を意識する時代へ

最後に、この記事で伝えたかったことをまとめます。

  • 生成AI経由の流入は増えている。GA4の参照元 / メディアで chatgpt.com / referral 等として確認できるケースが増加中。
  • ただし、それは氷山の一角。ブラウザ経由の中でもリファラが渡るケースは限定的で、ClaudeやGeminiは不安定。スマホアプリ経由は(direct) / (none) に吸い込まれる。
  • セグメントで絞っても全体像は見えない。探索レポートで「参照トラフィック」を使っても、見えるのはリファラが渡ったセッションのみ。これも落とし穴のひとつ。
  • スマホアプリ経由が(direct) / (none)に化ける。ChatGPTアプリ等のWebViewがリファラを送信しないため。これが最も深刻な落とし穴。
  • toCサイトは特に要注意。スマホ利用比率が高いため、見えないAI流入が多く紛れ込むリスクがある。
  • (direct) / (none) × mobile の動きを見る。エンゲージメントやCVが増えていれば、AI経由の可能性を疑い、GA4を適度にチェックする。

生成AIの普及で、ユーザーの「情報の探し方」が変わりつつあります。その変化が、GA4のデータにも影響を与え始めているのを日々実感しています。

GA4の数字をそのまま受け取るのではなく、「この数字の裏に何があるんだろう?」と考えてみる──そういう視点が、これからのWeb担当者には必要だと思っています。

この記事が、GA4を見るときの新しい視点になれば嬉しいです。

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「自社のGA4でAI流入を確認したいけど、やり方がわからない」「(direct) / (none) が増えてて気になる」──そんな方は、お気軽にご相談ください。

オーシャンズでは、GA4の設定・分析から広告運用、サイト改善まで幅広くサポートしています。オーシャンズWebまでお問い合わせください。

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この記事を書いた人

井上 翔#広告運用コンサルタント

異業種からデジタルマーケティングの世界へ挑戦。現在はSNS運用を中心に、企画・撮影・編集まで一貫して取り組んでいる。専門家としての視点だけでなく、これから取り組む企業と同じ目線に立てることが強み。

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