広告を出したのに、なぜか反応ゼロ…?失敗しない Web 広告の選び方ガイド
はじめに
- 広告にお金をかけたのに、問い合わせはゼロ。
- 「流行っているから」と飛びついた媒体、フタを開ければ肩透かし。
- 会議では「広告費、ムダじゃない?」と冷たい視線――
そんなモヤモヤに、多くの中小企業が実は同じように悩んでいます。
まずは “ありがち失敗” を 3 つだけ、会社でのシチュエーション仕立てで覗いてみましょう。

1. 目標と数字がふんわり
担当「今回の広告は“認知拡大”を狙ってます!」
上司「そうか。で、問い合わせ1件いくらで取れた?」
担当「えっ…問い合わせですか? そこは見てなくて…」
目的と評価指標が途中でねじれる典型パターン。
“何を伸ばすか”は最初にひとつ決めて共有しましょう。
2. 媒体選びが感覚まかせ
上司「TikTok がバズってるらしい。ウチも出そう!」
担当「ですがターゲットは50 代経営者でして…」
上司「流行ってるんだから若い人にも刺さるだろ?」
担当(心の声)「そもそも見てないかも…」
“人気”だけで選ぶと、肝心の見込み客に届きません。
まずは既存顧客に「どこで知ったか」を聞いてみましょう。
3. LP・サイトの受け皿が弱い
担当「クリック数はガンガン伸びてます!」
上司(スマホで確認しながら)「おい、この LP 10 秒経っても開かないぞ…」
担当「あ、画像が重いかもしれません…」
集客しても LP が遅い・わかりにくいでは離脱一直線。
スマホで3秒以内に表示&“悩み→解決→申込”を1画面にまとめましょう。
落とし穴のメカニズムを分解する
広告 → 受け皿(LP) → 計測 → 改善……。
このどこか 1 つでも噛み合わないと、成果はドミノ倒しのように落ちていきます。
・目的・KPIのズレ : 途中で評価軸が変わると方向性もブレブレ
・ペルソナの曖昧さ :誰に刺さるコピーか決まらず広告文がぼやける
・媒体選定ミス : ターゲット不在の場所で大声を張り上げても響かない
・LPパフォーマンス不足 : スマホで開いた瞬間に離脱、魅力も伝わらず
・計測/PDCA停止 : データが取れない・読めないでは改善のしようがない

どの広告をいつ出す?かんたん使い分け表
あなたの商品やサービスに 「まず知ってもらう → 比べてもらう → 行動してもらう」 の3ステップがあるように、広告にも得意な出番があります。下の早見表で「いまお客さまはどの段階?」をチェックしてみましょう。
ステップ | ユーザーの気持ち | おすすめ広告タイプ | 主な掲載場所・例 |
---|---|---|---|
① まず知ってもらう〈認知〉 | 「こんなサービスがあるんだ!」 | ・ SNS広告(Instagram / Facebook / X / LINE など)・ 動画広告(YouTube 6秒CM など)・ バナー広告(ニュースサイトの画像) | Instagramタイムライン、YouTube動画前後、ポータルサイトの上部など |
② 比べてもらう〈検討〉 | 「詳しく調べてみようかな」 | ・ 検索連動型広告(Google / Yahoo!)-・比較・口コミサイト広告 | 「○○ 比較」「料金」で検索したときの上部枠、業界専門の比較サイト |
③ 行動してもらう〈決断〉 | 「問い合わせ・購入してみよう」 | – リターゲティング広告(一度サイトに来た人を追いかける)・ ブランド名検索広告(社名・商品名で検索されたとき最上位に出す) | 閲覧後に別サイトへ表示されるバナー、自社名指名検索の検索結果ページ |
コツは「階段を一段ずつ上がってもらう」こと。
認知段階の人にいきなり“今すぐ買って!”はムチャ振り。逆に、決断段階の人にふわっとしたCMを見せても背中は押せません。今いるステップに合わせて、コピーもオファーもチューニングしましょう。

失敗あるある 10 連発 × 対策集(保存版)
No. | 失敗例 | 失敗あるあるシーン | 対策 |
---|---|---|---|
1 | 目的と指標がふんわり | 「とりあえず認知」で始めたのに途中からリード獲得で評価される | KPI を 1 つ決め切る認知ならリーチやクリック視聴率、獲得なら CV・CPA |
2 | ペルソナが“ざっくり属性”だけ | 「30〜50 代経営者」の一言で終わる | 既存顧客の悩み・決裁フローを具体化し、広告文も LP も一気通貫で合わせる |
3 | 媒体選定が人気頼み | 流行・評判だけで媒体を決める | 過去チャネル別 CVR を棚卸し/商談で情報収集経路を確認してから決定 |
4 | LP・サイトの受け皿が弱い | 表示遅い・スマホ未最適化・ベネフィット不足 | PageSpeed 70 点超を目標/ファーストビューに「課題→解決→CTA」を 15 秒で読める形に |
5 | 予算が“薄く広く”散る | 1 チャネルあたりのデータ量不足で学習が進まない | テスト段階はチャネルを絞り集中投下(1 チャネル × 2〜3 クリエイティブ × 2 週間) |
6 | クリエイティブが社内目線 | 自社紹介ばかりでユーザーの痛みが冒頭にない | 冒頭に「あるある悩み→だから XX」を置きユーザー視点を優先 |
7 | トラッキング・計測が甘い | CV 設定漏れ・重複/UTM がバラバラ | GTM 実装後にテスト発火確認/UTMパラメータの命名ルールを事前に統一 |
8 | PDCA が“レポートで終了” | 報告書だけで改善施策に落ちない | レポート欄に「改善施策・担当・期限」を必ず記載/週次 AB テスト文化を作る |
9 | 成功パターンの再現不可 | 当たりクリエイティブを要因分析せず横展開 | 見出し・特典・画像をパーツで分解→同じ型で新作 |
10 | 予算と目標数値の乖離 | 「10 万円で CV 1000 件」など非現実的設定 | クリック単価とCVRから逆算シートを作り、現実的ラインを共有 |
小さく始めて、大きく伸ばす:ファーストステップ

1. KPI を言語化する
例:月間 資料請求 30 件(CPA 8,000 円以内)
2. LP チェックリスト
スマホ速度 のチェック、ベネフィットはファーストビュー内 、 フォーム項目 5 つ以内
3. テスト設計
広告タイプ 1 つ × クリエイティブ 3 つ × 2 週間
4. 計測スキームを整える
GTM・GA4 でイベント計測 → 毎週改善
5. 社内合意形成
KPI・予算・レポート形式を事前共有し、乖離リスクを下げる
まとめ 〜 “広告を選ぶ前に、課題を選ぶ” 〜
- 成果が出ない多くの原因は 目的・媒体・受け皿・計測のズレ。
- ファネル思考 で広告タイプをマッピングし、失敗あるあるを潰す。
- 小さく検証 → データで PDCA を回し続ける。
まずはご紹介した「10のあるある」を自社に当てはめ、改善の優先順位を決めてみてください。
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礒崎 将一#代表取締役
#デジタルマーケター
上流の戦略設計からアクセス解析までを得意とし、総合・ネット広告代理店での経験を活かしデジタル・オフライン広告双方に精通。特に金融業界での支援実績と深い知見を持つ。多角的なアプローチで企業の課題を解決し、成長をサポートする。